長崎出身のあなたが、県外の友人に「その本、読み終わったらなおしとって」とお願いしたとします。
あなたは「片付けておいてね」という意味で言ったのに、友人は「え、どこか壊れてるの?」とキョトン顔。
これは、長崎県民なら一度は経験したことがあるかもしれない、方言が引き起こす”あるある”な誤解の一つです。
長崎弁には、標準語と音が同じなのに意味が全く違う言葉や、独特すぎて面白い勘違いを生むフレーズがたくさんあります。
意味が違いすぎる!標準語と勘違いしやすい長崎弁あるある

長崎県民にとっては当たり前でも、他県民にとっては「???」となってしまう言葉たち。
まずは、そんな誤解を生みやすい代表的な「あるある」ネタからご紹介します。
- あるある①:「なおす」は修理(リペア)じゃない!
- あるある②:「おい」と「わい」で主語が大混乱
- あるある③:「曲げんね!」は曲げるの?曲げないの?
- あるある④:「くる」は行くの?来るの?
- あるある⑤:「はわく」は口から出すものじゃない!
あるある①:「なおす」は修理(リペア)じゃない!
これは西日本全般で聞かれますが、長崎でも代表的な”あるある”です。
- 長崎での会話:「そのお皿、使い終わったらなおしとって」
- 長崎県民の意図:「そのお皿、使い終わったら片付けておいて」
- 他県民の解釈:「そのお皿、使い終わったら修理しておいて」(え、ヒビでも入ってるの!?)
長崎弁の「なおす」は、「元の場所に戻す・片付ける・しまう」という意味で使われます。
他県から来た人が初めて聞くと、何かを修理するよう頼まれたと勘違いし、一瞬フリーズしてしまうことが頻繁に起こります。
あるある②:「おい」と「わい」で主語が大混乱
特に、関西出身者との会話で発生しやすい、人称代名詞の混乱です。
- 長崎での会話:「おいがわいに言うたとやろ!」
- 標準語訳:「俺がお前に言っただろ!」
- 関西出身者の解釈:「俺が俺に言った…?」(え、独り言?)
長崎弁では一人称が「おい」、二人称が「わい」ですが、関西弁では一人称を「わい」と言うことがあります。
そのため、長崎の人と関西の人が話すと、お互いが自分のことを指しているように聞こえてしまい、話が噛み合わなくなるという珍現象が発生するのです。
あるある③:「曲げんね!」は曲げるの?曲げないの?
一見すると否定形に聞こえるのに、実は真逆の意味を持つ、非常にトリッキーな表現です。
- 長崎での会話:(水をまいている人へ)「もっとホースば曲げんね!」
- 長崎県民の意図:「もっとホースを曲げなさい!」
- 他県民の解釈:「もっとホースを曲げるな!」(え、なんで!?)
長崎弁の「〜せんね」や「〜んね」という語尾は、「〜しなさい」という軽い命令や勧めを表します。
しかし、標準語の「〜せん(しない)」という否定の音にそっくりなため、「〜するな」という禁止の意味だと誤解されがち。まさに方言の罠です。
あるある④:「くる」は行くの?来るの?
これもまた、行動の方向が真逆になる可能性がある危険な言葉です。
- 長崎での会話:「今からそっちに来るけん、待っとって」
- 長崎県民の意図:「今からそっちに行くから、待ってて」
- 他県民の解釈:「(誰かが)今からこっちに来るから、待ってて」(誰が来るんだろう…?)
長崎弁では「行く(go)」の意味で「来る(come)」を使うことがよくあります。
待ち合わせの時などにこの誤解が生まれると、ちょっとした悲劇につながるかもしれません。
あるある⑤:「はわく」は口から出すものじゃない!
音の響きから、全く違う行動をイメージさせてしまう方言です。
- 長崎での会話:「玄関ばはわいとって」
- 長崎県民の意図:「玄関を**(ほうきで)掃いておいて**」
- 他県民の解釈:「玄関で**(何かを)吐いておいて**」(えええ!?ここで!?)
長崎弁の「はわく」は、ほうきを使って「掃く」という行為を指します。
標準語の「吐く」と音が似ているため、聞き間違いがとんでもない誤解を生む可能性がある、面白い一例です。
これも知ってると面白い!長崎弁のユニークな表現

意味の誤解だけでなく、長崎弁にはその言葉自体がユニークで面白い表現もたくさんあります。
あなたはいくつわかりますか?クイズ形式で挑戦してみましょう。
- 第1問:子供がふざけて暴れることは?
- 第2問:食べ物が腐ってしまったら?
- 第3問:すねている人にはなんて言う?
- 第4問:長崎の「ごっつ」は関西と意味が違う?
- 【答え合わせ】ユニークな長崎弁の世界
- よくある質問
- 総括・まとめ
第1問:子供がふざけて暴れることは?
答え:「ぞうぐり」
解説:
「廊下でぞうぐりすんな!」(廊下で暴れるな!)のように、子供が室内などでふざけてバタバタと暴れ回る様子を指します。言葉の響きが、その行動の激しさをよく表していますね。
第2問:食べ物が腐ってしまったら?
答え:「ねまる」
解説:
「この魚、ねまっとるごた」(この魚、腐っているみたいだ)のように使います。標準語の「粘る」とは全く意味が異なるため、聞き間違えると混乱を招くかもしれません。
第3問:すねている人にはなんて言う?
答え:「はぶてる」
解説:
「なんではぶてとっと?」(どうしてすねてるの?)という風に使います。ただ怒っているのではなく、少し拗ねてふてくされている、という絶妙なニュアンスを表現できる便利な言葉です。
第4問:長崎の「ごっつ」は関西と意味が違う?
答え:はい、全く違います。
解説:
関西弁の「ごっつ」は「とても・すごく」という強調語ですが、長崎の五島弁で「ごっつ」は「ご馳走」を意味します。五島で「ごっつですね!」と言うと、「ご馳走ですね!」という意味になってしまうので注意が必要です。
【答え合わせ】ユニークな長崎弁の世界
クイズに出てきたユニークな言葉を一覧で見てみましょう。
| 長崎弁 | 標準語の意味 | 解説 |
|---|---|---|
| ぞうぐり | (子供が)ふざけて暴れること | 「廊下でぞうぐりすんな!」と、子供を叱る時によく使われます。 |
| ねまる | (食べ物などが)腐る、傷む | 標準語の「粘る」とは全く意味が違います。 |
| はぶてる | すねる、ふてくされる | 拗ねている様子を表す絶妙な言葉です。 |
| ごっつ | ご馳走 | 関西弁の「すごく」とは意味が違うので注意が必要な五島弁です。 |
よくある質問
長崎弁で一番面白い言葉は何ですか?
人によって感じ方は様々ですが、「すっちょんちょん(丈が短い)」や「びっつんみじょか(ブサかわ)」など、音の響きがユニークな言葉が面白いとよく言われます。また、「とっとっと」のように、同じ音が続くフレーズも特徴的で面白いとされます。
長崎弁の「あるある」は、なぜ起こるのですか?
長崎弁に限らず、方言の「あるある」は、標準語と同じ音で違う意味を持つ単語や、標準語にはない独特の表現があるために起こります。特に長崎は、歴史的に様々な地域の言葉や外国語が混ざり合って成立したため、ユニークな言葉が多いのです。
【長崎弁の歴史】なぜ外国語が混ざる?「びーどろ」の語源とルーツを深掘り長崎県民は、方言を指摘されると怒りますか?
ほとんどの人は怒りません。むしろ、自分たちの方言に興味を持ってもらえることを喜ぶ人が多いでしょう。「その言葉どういう意味?」と積極的に質問することで、コミュニケーションが生まれ、より親しくなれるきっかけになります。
総括・まとめ
今回は、長崎県民なら思わず頷いてしまう、面白い「長崎弁あるある」をご紹介しました。
- 意味の違い:「なおす(片付ける)」「はわく(掃く)」など、標準語との意味の違いから爆笑の誤解が生まれる。
- 主語の混乱:「おい(俺)」と「わい(お前)」の人称代名詞は、他地域の人を混乱させる。
- 逆の意味:「〜せんね(〜しなさい)」のように、否定形に聞こえる肯定の命令文は最大の罠。
- ユニークな単語:「ぞうぐり(暴れる)」「はぶてる(すねる)」など、言葉そのものが面白い。
方言は、時にコミュニケーションの壁になることもありますが、その「ズレ」や「違い」こそが、会話を豊かにし、笑いを生み出すスパイスになります。
もしあなたの周りに長崎出身者がいたら、ぜひこの記事のネタを振ってみてください。
「そうそう!それあるとよ!」と、きっと話が盛り上がるはずです。